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【相続税の基礎知識】不動産の相続のポイントを抑えよう!

人が亡くなると相続が発生し、亡くなった方の財産はすべて相続人へと移転します。財産を受け取った相続人は相続税を負担することが法律で定められています。ところが、相続税のしくみは複雑で、かかる税金についてはわかりにくくなっています。そのため、相続税の対策も難しくなっているのです。いざ相続が発生したときに備えて、相続の基礎知識について知っておく必要があります。
ここでは、不動産にかかってくる相続税と相続税対策の基礎知識についてご説明していきます。

 

■不動産にはこんな相続税がかかってくる

土地建物などを不動産といいますが、これらの財産を相続した場合に関係してくるのが相続税と贈与税です。この2つの税は相続税法により定められています。

(1)相続税

相続税は、相続・遺贈を原因として財産を取得した場合にかかってきます。遺贈とは亡くなった人が遺言により財産を処分することです。
相続財産の課税対象は、取得した相続財産がそのままなるわけではありません。宅地の場合は、道路に面している標準的な宅地の1平方メートルあたりの価額である路線価等を基準として計算された金額で評価されます。ただし、小規模宅地については例外的に減額されるケースがあります。建物の場合は、固定資産税評価額を基準として評価されます。

(2)贈与税

贈与税とは、個人からの贈与によって取得した財産にかかる税金のことです。贈与は人が亡くなる前に行われるため相続税とは関係ないように思われるかもしれません。ところが、生前贈与をすることにより相続税を免れようとするのを防ぐため、相続税法は課税対象としているのです。

 

■これだけある不動産の相続税対策

土地建物などの不動産については、以下のような相続対策を講じることができます。

(1)生前贈与による節税対策

被相続人(亡くなった人)が生きている間に財産を贈与したのであれば、相続税の対象から外れるため課税されません。ただし、相続開始前3年以内に財産が贈与されている場合には、相続税の対象となり課税されます。つまり、死にそうになってから慌てて贈与しても節税できないということです。また、贈与する額が年間で110万円を超過してしまうと贈与税がかかります。これは、高額な贈与を焦ってしてしまうと、節税効果は期待できないということです。
ただ、以上の少額贈与による節税は、土地については現実的にはできない場合が多いでしょう。そこで、おすすめなのが生前に2500万円までなら非課税で贈与できる相続時精算課税制度です。この制度では、贈与額が2500万円以内なら課税されす、2500万円を超過すると超過金額に20%の贈与税が課税されます。

(2)不動産収入による節税対策

不動産を所有しているだけでは手元にお金が入ってくることはなく、固定資産税がかかるだけです。ところが、不動産をうまく活用し賃貸アパート経営で収益が発生すれば、節税対策ができます。被相続人が所有する賃貸アパートを相続人へあらかじめ移転しておけば、家賃収入は相続人のものとなり相続税は課税されないのです。

(3)土地建物の評価額を下げる方法

土地や建物などの相続税は評価額により決まってくるため、評価額を下げることができれば節税効果が期待できます。
土地の場合、賃貸アパートが建っていると更地や宅地よりも評価額を約20%近くカットすることができ、その分だけ節税できます。
また、建物の場合は固定資産税としての評価額により相続税が決まってくるのですが、アパートであれば評価額を建築費の60%まで下げることができます。木造建築のアパートであれば、さらに評価額は下がり節税効果は大きくなるのです。

(4)基礎控除による節税対策

厳密には相続税対策と言いにくいかもしれませんが、法定相続人の数を増やすことにより節税することができます。法定相続人1人につき1000万円の基礎控除が認められているため、法定相続人の数が増えると節税効果も大きくなります。ただし、相続人が増えると相続関係が複雑になるという弊害もあります。

(5)配偶者控除による節税対策

配者控除を上手に利用すれば、節税することができます。配偶者の相続財産は、法定相続分か1億6000万円のどちらか金額の大きい額までが非課税として扱われます。

 

 

不動産は相続財産の中では額が大きいため、相続税が多額になる傾向があります。節税対策をしていないと、急に相続が開始したときに相続税の高さに驚くというのはよくあることです。そのような事態を避けるためには、被相続人が亡くなる前から早めに節税対策をしておくことが大切です。